2017年09月09日
映画「靴職人と魔法のミシン」
製作年 2014年
製作国 アメリカ
監督 トーマス・マッカーシー
代々続く小さな靴修理店を営む中年のマックス(アダム・サンドラー)。父親は何年も前に家を出て行ってしまい母親と二人暮らし。日々単調な暮らしをしていたのだけれど、ある日いつも使っているミシンが壊れてしまう。仕方がないので、地下で眠っていた旧式のミシンで靴の修理をするマックス。そして仕上がった靴を鏡の前で試し履きすると、なんと靴の持ち主へと変身してしまう。そしていろいろな靴を修理しそれを履いては他人へと成りすますことに味を占めたマックスは・・・
ここからはネタバレを含む感想です。
冒頭、時代は1903年、マックスのご先祖を含む職人たちの集まりがあって何やら相談、眉唾もののミシンの由来、まさかそのミシンで修理した靴を履くとその靴の持ち主に変身してしまうとはΣ(・ω・ノ)ノ
そしてそのことに気付いたマックスの生活は一変し、修理した靴を青いバッグに入れて持ち歩き、履き替えては自分自身を着せ替えるというちょっと自堕落な日々。唯一した良いことと言えば、父親に変身し母親と食事をしたことくらい。マックスの異変に気付いた隣で理髪店を営むジミー(スティーブ・ブシェーミ)は、何かとマックスのことを気にかけ、声をかけたりピクルスを渡したりするのですがマックスは変身できることを楽しんで、完全に調子に乗っちゃっています。
そして調子に乗った結果、殺人とミステリーにまで発展
実は最初に変身した相手は犯罪に手を染める悪党のボス・レオン(メソッド・マン)で、そのレオンから金品をせしめようとしたのだ。けれどトラブルもあり、、正当防衛ではあるのだけれど、レオンのことを殺害してしまう。そこでやっと改心したマックスは警察へ自主、けれどマックスが自供したにも関わらずレオンの死体どころか血痕すらない。店へと戻ったマックスはそこでレオンからせしめ損ねた金品と自分のバッグをみつける、置いてきたはずなのにΣ(゚д゚;)
マックスの異変に気付いたジミーは、マックスの父親が家を出て行った訳をマックスに話します。それは悪い連中と関わったために家族に危害が及ぶのを恐れて、自分は死んだとみせかけるためだったそう。道を誤らないで欲しいと諭すんだけれど、興奮状態のマックスはそのまま去ってしまう。
そのままどこへ行ったかというと、悪い奴らの所にお金を返しに行ったんだよね、もちろん靴を履きかえて変身して。もし自分ならと考えると絶対に返しには行かないなぁ('д` ;)
そこでマックスは捕まるんだけれど、なんとか逃げ出すことに成功。でも捕まったことでとんでもない計画を知ってしまう。
それは ”金曜日までにゴミを処分して” という意味
実は、一人の老人がアパートに居座り続けて立ち退きを拒否していたのですが、アパートごと放火することを意味していたのです。それを阻止するためにマックスは靴を何度も履き替え奮闘します。その甲斐もあって一件落着 (´▽`)
その後、もう一波乱あり、ジミーに助けられます。危機の後にはいつもジミーがいました。その訳は、ジミーが実はマックスの父親のアブラハム(ダスティン・ホフマン)だったから
本物のジミーはカリブの島で楽しく暮らしているらしい。そしてアブラハムはマックスに真実を知る時が来たと言って、先祖代々の家宝というかコレクションをみせるんだけれど、その時にお前は魂の守り人だって言うんだよね、う~ん、そんなに重々しくもなかったけれどなぁ~。
それにしてもアブラハムの羽振りがかなり良いみたいなんだよね、一体どんな悪いことをしたんだか('д` ;)
そっちの方が気になるわ。
最初はほのぼのファンタジーなのかと思っていたんだけれど、殺人もあり、ゾンビもあり、人助けもありで、96分という短さの割にはいろいろと詰め込まれていました。
そして何かと登場する ”ピクルス” そんな重大なソウルフードだったとはw(゚o゚)w オオー!
いろんな人に変身できるということは、責任も重いけれど身体への負担もかかっているんですね。
それはそれとして、マックスはこの先も地味な靴職人としてやっていけるのかちょっと心配です。
2017年09月05日
映画「彼は秘密の女ともだち」
製作年 2014年
製作国 フランス
監督 フランソワ・オゾン
幼馴染で親友のローラ(イジルド・ベ・ルスコ)を亡くしたクレール(アナイス・ドゥムーステエ)は、深い悲しみの中にいたのだけれど、彼女の葬儀で、自分の命がある限り彼女の夫・ダヴィッド(ロマン・デュリス)と生まれたばかりの娘・リュシーを見守ると誓う。そしてその誓い通りダヴィッドの家を訪ねると、なんとローラの服を着て女装したダヴィッドがリュシーをあやしているところを目撃してしまう。ダヴィッドは、自分には女装癖があること、それはローラも承知していたこと、そして今はローラのことが恋しいのと、リュシーのために一時的に女装しているのだと告白。最初はとまどっていたクレールだけれど、女装したダヴィッドをヴィルジニアと名付け親密になっていく・・・
ここからはネタバレを含む感想です。
クレールは女装したダヴィッドを初めて見たとき、それはローラやリュシーを言い訳にしてるだけで自分の欲望を満たすために女装しているだけで変態だ、とダヴィッドに言い放つのですが、私もそう思う、だってローラが恋しくてついついしてしまった割には落ち着いているし、見つかった時にもっともっと取り乱すと思う。もちろんローラの死がきっかけで女装癖が復活したっていうのは本当だと思うけれど、それだけとは思えない。
だけどクレールは、とまどいながらも女装したダヴィッドにヴィルジニアと名付け、親密さを増していきます。
ヴィルジニア(=ダヴィッド)は、悪い子ではないけれどちょっと困った強引な女ともだちって感じ。
クレールの一言で、ヴィルジニアの表情はちょっとすねて見せたり喜んでみたりと非常によく変わるのです。
大男の女装のはずが、所作と表情だけはどんどん女性っぽくなっていくんですよね。
まるでローラと過ごした日々をヴィルジニアと再現しているようなクレール。その一方でクレールは、夫であるジルに本当のことが言えません(;´Д`)
そして言えないままヴィルジニアに小旅行に誘われ、ジルには嘘をついて出かけてしまいます。結局その嘘はジルにバレ、ついついダヴィッドは男が好きだと言ってしまい、また嘘を重ねてしまうのです。
ダヴィッドは女装癖はあるけれどゲイではないもんね。
クレールはヴィルジニアと過ごす日々を楽しんでいたけれど、もう女装はやめないといけないとダヴィッドに告げるのです。しかもあなたは病気だから治療が必要とまで言われて、ダヴィッドはさぞかしショックだったろうなぁ。理解してもらえたと思っていたクレールにそんな風に言われたこと。
その後、ダヴィッドは乳母にリュシーを預けて女装なしの日常へと戻るのです。ところがですよ、そんなダヴィッドにクレールはヴィルジニアが恋しいなんて言っちゃうんです
その言葉を聞いてダヴィッドは、君に恋をしてしまったと言って、クレールに激しいキスをするのですが・・・ そしてクレールもそれに応えているのに、ローラを裏切ることは出来ないと言って去ってしまいます。
でもこのままじゃ終われない
ダヴィッドは再びヴィルジニアとなってクレールをホテルに呼び出すのです。そこで激しく求め合う二人、でもでもでも、またしてもクレールがヴィルジニアにあなたは男よ、と言ってヴィルジニアを拒否、ホテルを去ってしまう。
そしてその直後にヴィルジニアは事故に遭ってしまうのですが、事故直前にクレールに送ったメールには、私は女よ、と書かれていました。
それから7年後、リュシーの学校のお迎えに現れたのは、手を繋いだヴィルジニアとクレール。女装は公認となったようです。しかもクレールのお腹はふっくらとしていて妊娠中。
一体誰の子なの
個人的にはジルの子供であってほしい。なぜなら、クレールはローラとの回想シーンの中で、ローラに対して一目ぼれだった、とはっきり言っています。そしてジルはダヴィッドに、実はローラとクレールの親友関係に嫉妬していたと告白しています。それにクレールは2度、ダヴィッド=ヴィルジニアを拒否しています。
一度目はキスをしたとき、二度目はホテルで求め合ったとき。その時の理由から考えてもやっぱりジルの子供ではないかなぁ、と思うのです。
秘密の女ともだちは、公認の女ともだちとなって、ジルは少し悶々とした日々を送っているっていう絵が頭に浮かびました。映画を見る限りでは、ジルは優しいし父性もあるしやっぱりジルが父親であって欲しい。
7年後の二人を見てカップルと思うか友だちと思うかは観た人次第っていうのもいいものですね。
私は友だちだと思います